ドローン(UAV)レーザ測量は、従来の測量手法では難しかった現場の課題を解決するソリューションです。この記事では、ドローン(UAV)レーザ測量に必要な機材の準備から、実際のフライト手順、データ処理、活用事例まで詳しく解説します。
まず、ドローン(UAV)レーザ測量を実施するには、専門的な機材の準備や関係機関への申請などの事前準備が不可欠です。測量に必要な主要な機材と、飛行許可取得や精度確保のための準備について解説します。
ドローン(UAV)レーザ測量の核となるのは、高精度なLiDARセンサー(レーザスキャナ)です。レーザパルスの発射数や波長、反射率の分解能などによって性能が大きく異なり、最終的な点群データの品質を左右します。
LiDARセンサーを搭載するドローンも重要です。センサーの重量やサイズに見合ったペイロード(積載量)と、安定した飛行性能を持つドローンを選択しましょう。高性能なセンサーとUAVの組み合わせにより、広範囲から高密度かつ正確な点群データを効率的に取得できるようになります。
ドローンを飛行させて測量を行うためには、国土交通省や地方航空局への飛行許可申請が必須です。飛行ルート、日時、機体情報、操縦者の資格などを明記し、事前に許可を得ましょう。万が一手続きを怠ると、航空法に抵触する可能性があるため注意が必要です。
また、測量データの位置精度を高めるためには、地上の基準点である標定点の設置が不可欠となります。標定点とは、事前に正確な座標が計測されたポイントを指します。データ処理の際に標定点を基準にすることで、ドローンから取得した点群データに発生しうる位置のズレや歪みを補正し、測量全体の精度が担保されるのです。
フライトからデータ処理までの一連の正確な手順を踏むことで、初めて高品質な成果データを得られます。具体的な実施手順とポイントを解説します。
対象エリアの地形や測量目的に応じて、ドローンの飛行高度、速度、レーザスキャンの重ね撮り率を適切に設定すると、データ欠損を防ぎ、密度の高い点群データを取得可能となります。無駄な飛行時間を削減しつつ、必要なデータ品質を確保するための重要なポイントです。
フライトプランに基づき、ドローンを飛行させながらLiDARセンサーでレーザパルスを発射し、点群データを取得します。センサーから発射されたレーザ光は、地表面や構造物で反射してセンサーに戻ってきます。この往復時間を計測することで、各地点までの距離が正確に算出されるのです。
同時に、ドローンの正確な位置情報(GNSS)と姿勢情報(IMU)を組み合わせることで、無数の各点に3D座標(X、Y、Z)が付与され、高密度な点群データとして記録されます。樹木が多い場所でも、レーザが葉の間をすり抜けて地表面に到達するため、植生下の地形も詳細に捉えられます。
フライトによって取得された生データは、ノイズや不要な反射(鳥、送電線、車両など)が含まれているため、後処理が必要です。専用のソフトウェアを用いて、これらのノイズを正確に除去し、地表面のみを抽出するフィルタリング処理を行います。
フィルタリングされた点群データから、DEM(数値標高モデル)やDSM(数値表層モデル)など各種の地形モデルを生成。最終的に、等高線図、縦横断図、体積計算、現況平面図などの測量成果として利用できる形式に変換・図面化され、さまざまな土木・建設プロジェクトや防災計画に活用されます。
高精度かつ効率的なデータ取得能力により、さまざまな産業分野でソリューションを提供しています。災害現場と森林調査の活用事例を通して、ドローン(UAV)レーザ測量がどのように現場の課題を解決し、価値を生み出しているかをご紹介します。
2024年に発生した能登地方豪雨災害の復旧・復興支援として、石川県輪島市および珠洲市内の約30カ所でドローン(UAV)レーザ測量が実施されました。YellowScan VxというLiDARシステムを搭載したドローンが用いられ、1カ所あたり1日から3日という短期間で測量作業が行われています。広範囲の現況地形データを効率的かつ高精度に取得し、災害からの復旧における迅速な状況把握と進捗管理に貢献しました。
ビジュアル・システムズの事例では、森林の地形取得に特化した高密度照射レーザを採用し、YellowScan Explorer等の機材を用いて計測が行われます。計測後は、3D空間での図化作業を通じて、高精度な地形データが生成され、特に山間部では従来の測量では困難だった等高線作成の精度が向上。公共測量としても活用可能な詳細図面を作成できました。
ドローン(UAV)レーザ測量は非常に高精度で効率的な測量手法ですが、導入には専門的な知識、高額な機材、複雑な事前準備が必要です。そのため、自社で一から対応するよりも、専門業者に依頼するケースが多く見られます。
LiDARセンサーや高機能ドローンを操作し、高品質な点群データを取得・処理するためには専門的な知識と高度な技術習得が不可欠ですが、時間と費用がかかります。業者に依頼することで、機材調達にかかる初期投資や技術習得の教育コストを削減できます。
専門業者は豊富な経験と成果に基づいて、各現場に適切なフライトプランの策定からデータ取得、後処理までを一貫して行います。また、天候不順や機材トラブルなど不測の事態が発生した場合でも、代替案や迅速な対応が可能であるため、プロジェクトの納期遅延リスクを最小限に抑えられます。
ドローンの飛行には、航空法に基づく複雑な飛行許可申請や、プライバシー、安全確保など、さまざまな法規や規制が関係します。専門業者であれば、複雑な法規対応や万が一の機材トラブル、データ処理時の問題などにもワンストップで対応可能です。顧客は本来の業務に集中し、効率的なプロジェクト推進が可能となります。
レーザ測量で求められる「レベル500・±5㎝」などの精度は、業者の実績や現場対応力によって大きく差が出ます。
当メディアでは、±5㎝精度のDEMを取得できるドローンレーザ測量会社を徹底調査。
「山間・河川の防災対策」「森林管理」「都市インフラ」といった測量の目的とその現場に適した業者を、それぞれ3社紹介していますので、依頼業者の検討にぜひご活用ください。
水部を含む複雑な地形を、精密に把握。浅部はグリーンレーザ、深部はソナーを使用することで、河床の起伏を精密に可視化し、公共測量基準レベル500をクリア(※1)。
砂防基盤図など、精密な3D図化が求められる測量に対応。国交省仕様に準拠した図化・地形図作成を、社内技術者が一貫して手がけている。
単に「樹木下の地形を計測」だけでなく樹高・樹種・本数・材積を自社の技術と解析で算出可能。樹種分類や資源量推計専門の技術者チームが、写真測量から材積推計までを大幅に効率化。
標識が置けないような急峻林でも、UAVレーザとドローンを適切に組み合わせ、後処理補正で公共測量基準±5㎝の精度(※2)を実測。
国交省「3D都市モデル整備プロジェクト」で50超の自治体データ(※3)を手掛けるなど、都市インフラ公共測量の行政案件で豊富な実績(※4)あり。
空中写真・レーザ・MMS点群を組み合わせ、壁面や道路脇も“抜け”なく3D化。出来上がったデータはCIM/BIM連携や日影・浸水シミュレーションに活用できる。
※1参照元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/事例紹介/)
※2参照元:FLIGHTS公式HP (https://lidar.flightsinc.jp/lp/liair/)
※3参照元:パスコ公式HP(2025年7月確認時点)(https://www.pasco.co.jp/pickup/plateau/)
※4参照元:IRBANK|株式会社パスコ(2025年7月確認時点)(https://irbank.net/chotatu/5013201004656)