河川や海岸など水域を含む測量で急速に普及しているUAVグリーンレーザー測量。公共測量として成果を上げるには、国土地理院の作業規程の準則への対応が不可欠です。本記事では、準則の基本と機材・業者の選び方を解説します。
公共測量において、河川や海岸などの水域を含む地形を3次元データ化する際、グリーンレーザーを搭載したドローン(UAV)の活用が急速に進んでいます。国土地理院が定める作業規程の準則や、『UAV搭載型レーザ測深機を用いた公共測量マニュアル』においても、これらの新しい測量技術に対応するための運用ルール整備が行われています。
作業規程の準則では、ドローンを用いたレーザー測量はUAVレーザ測量やUAVレーザ測深測量などとして規定されています。グリーンレーザー(波長532nmの緑色光)は水を透過する特性があり、従来の近赤外線レーザーでは困難だった水面下の地形も計測可能です。
準則に基づく公共測量業務では、機器の性能確認から飛行計画の策定、GNSS等を用いた位置情報の取得、点群データのノイズ処理に至るまで、厳密な作業プロセスが定められています。これにより、陸部と水部をシームレスに計測したデータが、公共測量の成果物として認められる基盤が整っています。
公共測量でグリーンレーザーを活用するには、目的に応じた点群密度と標高精度の基準を満たすことが必須です。例えば、地図情報レベル500の地形図作成や詳細な河川断面の把握においては、標高で数センチメートル、水底の測深においても十数センチメートル以内の厳しい精度が要求されるケースがあります。
浅水域での濁度の影響や、深水域におけるレーザー光の減衰を考慮し、高度なフライト計画(飛行高度や速度の適正化)を行い、規定の高密度な点群を確保できるかどうかが測量成果の品質を大きく左右します。
重要なのは、検討している機材や測量会社が「公共測量に準拠した業務実績」を持っているかという点です。単にグリーンレーザーで点群を取得できるだけでなく、国土地理院の定める精度確認試験の実施や、品質評価表の作成能力が問われます。
過去の河川測量や砂防基盤図作成において、レベル500などの基準をクリアし、国土交通省や地方自治体への確かな納品実績を持つ業者を選ぶことで、データ差し戻しなどのリスクを低減できます。
取得したデータを、発注者の要件に合わせた形式で納品できるかどうかも確認が必要です。グリーンレーザーで取得した水陸の3次元点群データ(オリジナルデータ)から、水面や植生などのノイズを除去したグラウンドデータへの処理が正確に行えるかが鍵となります。
さらに、その点群をベースにした等高線の生成、縦横断図面の作成、土量計算、CIM/BIM連携を見据えた3Dモデル生成など、後工程のデータ処理まで一貫して対応できる体制があると、業務効率が大幅に向上します。
自社で機材を導入する場合、または業者の使用機材を確認する際は、レーザースキャナーのスペックを数値で比較します。具体的には、1秒間あたりのレーザー照射数や、最大測深能力などがポイントです。
また、高性能なグリーンレーザーは重量が大きくなりがちであるため、搭載するドローンの最大ペイロードや飛行可能時間も重要です。強風時や水上飛行時のフェールセーフ機能など、現場の安全性を確保する機能が備わっているかも必ずチェックしてください。
グリーンレーザー測量システムは、機材一式で数千万円規模の初期投資が必要になることも少なくありません。加えて、専門的な解析ソフトの導入費や操縦・解析技術者の育成コストもかかります。
そのため、年間を通じて水域測量の案件が多数ある場合は自社導入を検討し、スポット的な案件や難易度の高い公共測量の場合は、専門業者へ外注する方が、トータルコストを抑えつつ成果を得られるケースが多く見られます。自社の受注状況と費用対効果を客観的に比較検討することが推奨されます。
グリーンレーザーを搭載したドローン測量は、従来困難であった水域と陸域のシームレスな3次元データ化を実現し、インフラ管理や防災領域で欠かせない技術となっています。
しかし、公共測量として成果を上げるには作業規程の準則への深い理解と、規定の精度・点群密度をクリアする技術力が必須です。自社の業務課題や案件の頻度を整理し、機材のスペック、データ処理の対応力、豊富な実績を持つ専門業者の活用を含め、効率的な手段を選択してください。
水部を含む複雑な地形を、精密に把握。浅部はグリーンレーザ、深部はソナーを使用することで、河床の起伏を精密に可視化し、公共測量基準レベル500をクリア(※1)。
砂防基盤図など、精密な3D図化が求められる測量に対応。国交省仕様に準拠した図化・地形図作成を、社内技術者が一貫して手がけている。
単に「樹木下の地形を計測」だけでなく樹高・樹種・本数・材積を自社の技術と解析で算出可能。樹種分類や資源量推計専門の技術者チームが、写真測量から材積推計までを大幅に効率化。
標識が置けないような急峻林でも、UAVレーザとドローンを適切に組み合わせ、後処理補正で公共測量基準±5㎝の精度(※2)を実測。
国交省「3D都市モデル整備プロジェクト」で50超の自治体データ(※3)を手掛けるなど、都市インフラ公共測量の行政案件で豊富な実績(※4)あり。
空中写真・レーザ・MMS点群を組み合わせ、壁面や道路脇も“抜け”なく3D化。出来上がったデータはCIM/BIM連携や日影・浸水シミュレーションに活用できる。
※1参照元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/事例紹介/)
※2参照元:FLIGHTS公式HP (https://lidar.flightsinc.jp/lp/liair/)
※3参照元:パスコ公式HP(2025年7月確認時点)(https://www.pasco.co.jp/pickup/plateau/)
※4参照元:IRBANK|株式会社パスコ(2025年7月確認時点)(https://irbank.net/chotatu/5013201004656)