モバイル通信とドローン技術を融合し、社会課題の解決に取り組んでいます。KDDIグループのKDDIスマートドローンが手掛けており、モバイル通信を活用したリスクを抑えた遠隔・長距離飛行を実現。点検・監視・測量・物流・農業などさまざまなニーズに応えるサービスを提供しています。
本記事では、KDDIスマートドローンの測量の特徴や事例、使用されている機材などを紹介します。
フライトから撮影、点群データ変換、出来形図面の作成まで一括対応しています。現地での標定点設置を最小限に抑え、コストと手間を圧縮します。レーザ測量に加え写真測量にも対応し、夜間や植生下の地形も可視化が可能です。
測量部門を持たない中小企業や自治体でも「発注から納品までお任せ」で高精度データを得られます。測量パートナーであるジェノバ社のGNSS(Global Navigation Satellite System)補正情報配信サービス、国際航業社のKKC3D(データ解析)、アイサンテクノロジー社のWingEarth(成果図作成)を用いて、測量から公共測量仕様の出来形図面の作成まで対応可能です。
日本アジアグループ傘下の国際航業とKDDIは、兵庫県と神戸市が推進する「ドローン先行的利活用事業」の一環として、2020年2月、宍粟市にて地方自治体として全国初となるレベル3飛行による森林資源量調査を実施しました。レベル3とは、無人地帯で補助者なしの目視外飛行を可能にする運用レベルで、業務の効率化に資する技術です。
実証では、神戸市内から約70km離れた山間部にあるドローンをLTE通信を用いて遠隔操作し、空撮による森林の伐採区画などを解析。KDDIが飛行・撮影を担当し、国際航業がデータ解析を担当しました。この結果、遠隔地でも安定した通信環境下での調査が可能であることが実証され、ドローンによる森林調査の実用化に向けた重要な一歩となりました。
KDDIスマートドローンの測量サービスは、地形図整備・施設管理・防災などの測量に向いています。測量パートナーとして国際航業「KKC3D」、アイサンテクノロジー「WingEarth」と連携し、公共測量仕様の出来形図面(施工完了後の構造物や地形の形状・位置を記録した図面)や、3D点群データをそのまま提出することが可能です。
目視外×長距離通信で「人を現場に入れない」「1フライト20~30分」の効率を両立。林道開設や災害急傾斜など危険箇所ほど導入効果が大きくなります。
当メディアでは、主要なドローン(UAV)レーザ測量業者を独自に調査。「山間・河川の防災対策」「森林管理」「都市インフラ」といった測量の目的とその現場ごとに適した業者を紹介しています。依頼先を検討する際の参考に、ぜひご活用ください。
DJI社が開発した、インフラ点検や災害対応などに活用される産業用ドローン。30倍の光学ズームを搭載したカメラを運用できる点が特徴で、遠距離からでも高精細な映像や静止画の撮影ができます。
360度をカバーする衝突回避センサーが搭載されており、障害物の多い環境でもリスクを抑えた飛行が可能です。防塵・防水性能(IP45相当)を備えているため、雨天や粉塵の舞う現場でも安定して運用できます。
DJI社が開発した測量や点検、監視業務に適した産業用ドローン。約55分の長時間飛行が可能でありながら、耐候性の高いIP55等級に対応しているため、風雨の中でも安定した運用を実現します。
展開時の機体サイズは810×670×430mm(プロペラを除く)と大型で、ペイロードは約2.7kgまで搭載可能です。LiDAR(Light Detection and Ranging)やマルチスペクトルカメラなど、多様なセンサーやカメラの搭載に柔軟に対応できます。
販売しているドローンのうち、レーザ測量や組み合わせて使用するモデルを紹介します。
DJI社が開発したドローン搭載用LiDAR。ドローンのMatrice 300 RTKと組み合わせた、「M300+L1」パッケージを販売・導入支援しています。リアルタイムで点群データを表示でき、その場で測量結果を確認することが可能です。
Zenmuse L1の後継モデルです。ドローンのMatrice 350 RTKと組み合わせた、「M350 RTK+L2」パッケージを販売・導入支援しています。垂直精度4㎝、水平精度5㎝という高い測量精度を持ち、レーザ径は4×12㎝(100m地点)で、細かな対象物の捉えやすさが向上しています。構造物のエッジや、小型の地物も明瞭にスキャンできます。
レーザ測量で求められる「レベル500・±5㎝」などの精度は、業者の実績や現場対応力によって大きく差が出ます。
当メディアでは、±5㎝精度のDEMを取得できるドローンレーザ測量会社を徹底調査。
「山間・河川の防災対策」「森林管理」「都市インフラ」といった測量の目的とその現場に適した業者を、それぞれ3社紹介していますので、依頼業者の検討にぜひご活用ください。
ドローンと通信技術を融合させ、社会課題の解決に取り組むことで、より快適でスマートな社会の実現を目指している企業です。KDDIの4G LTEや5Gネットワークを活用し、ドローンの遠隔操作や長距離飛行を可能にしています。
自社運用したい方向けにドローンを販売しているだけではなく、月額サブスクで通信・運航管理ツールを利用できるサービスや、業務の全体委託にも対応するアウトソーシングを提供しています。国土交通省に認可された「KDDIスマートドローンアカデミー」を運営しており、免許取得のための教育から現場運用までサポートする企業です。
| 会社名 | KDDIスマートドローン株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区飯田橋3-10-10 ガーデンエアタワー |
| 電話番号 | 公式HPに記載なし |
| 対応可能地域 | 公式HPに記載なし |
| HP | https://kddi.smartdrone.co.jp/ |
水部を含む複雑な地形を、精密に把握。浅部はグリーンレーザ、深部はソナーを使用することで、河床の起伏を精密に可視化し、公共測量基準レベル500をクリア(※1)。
砂防基盤図など、精密な3D図化が求められる測量に対応。国交省仕様に準拠した図化・地形図作成を、社内技術者が一貫して手がけている。
単に「樹木下の地形を計測」だけでなく樹高・樹種・本数・材積を自社の技術と解析で算出可能。樹種分類や資源量推計専門の技術者チームが、写真測量から材積推計までを大幅に効率化。
標識が置けないような急峻林でも、UAVレーザとドローンを適切に組み合わせ、後処理補正で公共測量基準±5㎝の精度(※2)を実測。
国交省「3D都市モデル整備プロジェクト」で50超の自治体データ(※3)を手掛けるなど、都市インフラ公共測量の行政案件で豊富な実績(※4)あり。
空中写真・レーザ・MMS点群を組み合わせ、壁面や道路脇も“抜け”なく3D化。出来上がったデータはCIM/BIM連携や日影・浸水シミュレーションに活用できる。
※1参照元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/事例紹介/)
※2参照元:FLIGHTS公式HP (https://lidar.flightsinc.jp/lp/liair/)
※3参照元:パスコ公式HP(2025年7月確認時点)(https://www.pasco.co.jp/pickup/plateau/)
※4参照元:IRBANK|株式会社パスコ(2025年7月確認時点)(https://irbank.net/chotatu/5013201004656)