ドローンを用いたグリーンレーザ測量は、河川や海岸の浅水域を効率的に計測できる技術です。しかし、従来の赤外線レーザとは異なる「可視光レーザ」を使用するため、運用には厳格な安全基準が求められます。本記事では、JIS規格に基づくレーザクラスの基礎知識から、現場で求められる安全対策、信頼できる業者・機材の選び方までを解説します。
ドローン測量で一般的に使われる近赤外線レーザ(波長905nm〜1,550nm付近)のうち、905nm付近の波長は可視光と同様に網膜まで到達し、目に見えないため瞬きなどの回避反応が起きず危険です。一方、1,550nm付近の波長は角膜や水晶体で吸収されやすく網膜には届きにくい(アイセーフ)特性があります。グリーンレーザは532nmという可視光の波長を持ち、こちらも網膜まで到達しやすいという特性があります。
万が一、高出力のレーザが直接目に入った場合、網膜への熱損傷を引き起こすリスクがあるため、安全管理がより重要視されます。一方で、この532nmという波長は水の吸収を受けにくく、水中を透過して底面を計測できるため、水陸一体測量には不可欠な技術となっています。
レーザの安全性を測る指標の一つに「NOHD(Nominal Ocular Hazard Distance:公称眼障害危険距離)」があります。これは、レーザ光が目に対して安全なレベルまで減衰する距離を指します。
ドローンによる上空からの照射では、対地高度を確保することで地上でのエネルギー密度を下げ、安全性を担保します。機器によっては、独自の光学設計によりNOHDを極めて短く抑えたアイセーフ対応モデルも存在します。アイセーフな機材であれば、地上にいる作業員や第三者が万が一レーザを見上げても、網膜への影響を抑えることができるため、市街地付近など複雑な環境での運用において大きなメリットとなります。
日本におけるレーザ製品の安全基準は「JIS C 6802」によって規定されています。レーザの出力や波長に基づき、以下のようなクラスに分類されます。
ドローン用グリーンレーザの多くは「クラス3B」や「クラス4」など、クラス3R以上の製品に該当するため、運用時には適切な管理が必要となります。
現在普及しているドローン用グリーンレーザスキャナの多くは、水中への透過能力を確保するために一定以上の出力を必要とするため、一般的に「クラス3B」や「クラス4」などの製品が主流です。
これらの機器には、誤照射を防ぐためのインターロック(安全回路)や、機体が静止している際(GPSによる判断等)に自動でレーザをカットする機能など、複数の安全装置が組み込まれています。また、製品ラベルには必ずJIS規格に基づいたクラス表記と警告マークが掲示されており、使用者はこれを事前に確認し、取扱説明書に従った運用を行う義務があります。
現場運用において重要なことは、NOHDに基づく立ち入り制限区域の設定です。飛行ルート直下の地上に第三者が入り込まないよう、補助員の配置や看板による周知を徹底します。
また、グリーンレーザ測量特有の注意点として鏡面反射があります。水面や濡れた岩場、建物、車両のガラスなどにレーザが当たると、予想外の方向に強い光が反射する可能性があります。特に水部測量では反射を考慮し、照射角度の調整や、反射光が人のいる方向へ向かないようなフライトプランの策定が不可欠です。
ドローンを離着陸させる操縦士や、付近で作業を行う補助員は、万が一の誤照射に備えてレーザ保護眼鏡を着用する必要があります。保護眼鏡は、使用するレーザの波長(532nm)に対応した適切な光学密度(OD値)を持つものを選定しなければなりません。
あわせて、作業員全員に対して事前の安全教育を実施し、レーザを直視しないこと、反射のリスクがある場所に近づかないこと、万が一異常を感じた場合の連絡体制などを共有することが、事故を未然に防ぐ鍵となります。
グリーンレーザ測量を外注、あるいは自社導入する際には、安全管理体制のチェックが欠かせません。具体的には、厚生労働省の指針に基づく「レーザ機器管理者」が選任されているか、独自の「安全運用マニュアル」が整備されているかを確認しましょう。
信頼できる測量業者は、単に計測精度の高さを謳うだけでなく、リスクアセスメントに基づいた飛行計画書を提示し、万が一のトラブルに対する保険加入や緊急時対応フローを明確にしています。
ドローンレーザ測量を業者に依頼する際、ぜひ確認したいのが「アイセーフ対応の機材」を使用しているかどうかです。
アイセーフ(目に安全なレベルのレーザ)に対応していない機材を使用する場合、地上にいる第三者の安全を確保するため、広範囲な立ち入り禁止区域の設定や多数の警備員の配置が必要となり、結果として安全管理コストや工期が増大する傾向があります。
一方、アイセーフ対応機材を使用する業者であれば、市街地や交通量の多い河川周辺でも過度な交通規制や人員配置を抑えつつ安全に測量を実施できます。業者を比較検討する際は、計測精度だけでなく使用機材の安全性(アイセーフ対応か)も確認しましょう。
水部を含む複雑な地形を、精密に把握。浅部はグリーンレーザ、深部はソナーを使用することで、河床の起伏を精密に可視化し、公共測量基準レベル500をクリア(※1)。
砂防基盤図など、精密な3D図化が求められる測量に対応。国交省仕様に準拠した図化・地形図作成を、社内技術者が一貫して手がけている。
単に「樹木下の地形を計測」だけでなく樹高・樹種・本数・材積を自社の技術と解析で算出可能。樹種分類や資源量推計専門の技術者チームが、写真測量から材積推計までを大幅に効率化。
標識が置けないような急峻林でも、UAVレーザとドローンを適切に組み合わせ、後処理補正で公共測量基準±5㎝の精度(※2)を実測。
国交省「3D都市モデル整備プロジェクト」で50超の自治体データ(※3)を手掛けるなど、都市インフラ公共測量の行政案件で豊富な実績(※4)あり。
空中写真・レーザ・MMS点群を組み合わせ、壁面や道路脇も“抜け”なく3D化。出来上がったデータはCIM/BIM連携や日影・浸水シミュレーションに活用できる。
※1参照元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/事例紹介/)
※2参照元:FLIGHTS公式HP (https://lidar.flightsinc.jp/lp/liair/)
※3参照元:パスコ公式HP(2025年7月確認時点)(https://www.pasco.co.jp/pickup/plateau/)
※4参照元:IRBANK|株式会社パスコ(2025年7月確認時点)(https://irbank.net/chotatu/5013201004656)