グリーンレーザ測量が水中を測量できる仕組みを解説

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建設や土木、河川管理の現場において、水中の地形データを安全かつ効率的に取得することは長年の課題でした。その解決策として近年注目を集めているのがグリーンレーザ測量です。

本記事では、陸上と水中をシームレスに計測できる技術の仕組みや、導入のメリット、注意点などを解説します。

グリーンレーザ測量はなぜ水中を測れるのか?

一般的なレーザ(近赤外線)との違い

従来のUAV(ドローン)レーザ測量において、広く用いられているのは近赤外線レーザです。近赤外線は水に吸収される性質があるため、水面に照射しても反射波が戻らず、水中の地形データを取得することができません。

グリーンレーザ測量では、水に対する透過性が高い緑色波長帯のレーザ光を使用します。レーザが水面を通り抜けて水底まで到達し、水中の地形を3次元データとして取得することが可能になります。

水深を測定するメカニズム

グリーンレーザで水深を測る基本的な仕組みは、レーザ光の反射時間の差を利用するものです。照射されたレーザは、一部が水面で反射し、残りが水中を透過して水底で反射します。機体側でこの2つの反射波(リターン)を受信し、水面から戻ってくるまでの時間と、水底から戻ってくるまでの時間の差を計算することで、高精度に水深を算出します。

機種によっては、水面反射を捉えやすい近赤外パルスと、水底用のグリーンパルスの2波長を同時に照射するハイブリッド方式を採用しているものもあります。

水中・河川測量にグリーンレーザを導入するメリット

陸上と水中の3次元点群データ取得

陸上と水中の地形を一度の飛行で連続的に計測できる点が特長です。従来は陸上を無人航空機(UAV)で測量し、水中をボートを用いた音響測深で測量したうえで、後から2つのデータを結合する手間がかかっていました。

グリーンレーザを搭載した機材を使用することにより、水際などの境界線に空白地帯を作ることなく、陸から水底まで一体となった高精度な3次元点群データが取得可能です。

危険を伴う作業の安全性向上と大幅な工期短縮

従来の深浅測量(水深の測量)では、作業員がボートに乗って川や海に出たり、浅瀬に立ち入って直接水深を測ったりする必要がありました。水難事故のリスクや、急流への接近といった危険が伴います。

ドローンによるグリーンレーザ測量であれば、上空から非接触でデータを取得可能です。また、測量船が進入できない浅水域や立ち入り困難な場所もカバーできるため、現場の作業日数を短縮できます。

雨上がりなど濡れた地面・浅瀬の計測にも対応

一般的な近赤外線レーザは水に吸収されるため、雨上がりの濡れた地面や水たまりがある現場では、データが取得できず欠損してしまうという弱点がありました。グリーンレーザは水に吸収されにくい特性を持つため、濡れた対象物でも計測が可能です。

地面が乾くのを待つというタイムロスがなくなり、災害直後の現況確認や、天候に左右されにくい柔軟な測量計画の立案が可能になります。

グリーンレーザ測量における注意点と限界

水の濁度(透明度)が測定可能な水深に大きく影響する

グリーンレーザは万能ではなく、水の濁度(透明度)によって測深可能な深さが大きく制限されます。一般的に、計測できる水深の限界は透明度の約1.5倍〜2倍(※)とされています。

サンゴ礁が広がる透明度の高い海域では(※航空機を用いたハイエンド機材の場合)水深20m程度まで計測できた事例がありますが、濁りの強い河川や、白波が立つ海岸付近では、水深2m〜5m程度が限界となる、あるいは水底を全く捉えられないケースもあります。導入にあたっては、事前の現地調査で水質や天候条件を見極めることが重要です。

※地理空間情報技術ミュージアム MoGIST公式HP(https://mogist.kkc.co.jp/word/24e3a98b-35fe-4b0c-a207-dd6b86fc7c99.html)

ノイズデータの発生と高度な解析処理の必要性

水中の不純物が多い環境では、レーザが乱反射し、水底ではない場所からの反射波を多数拾ってしまいます。また、水面が波立っていると波形が乱れ、正確な水面位置の特定が難しくなります。

そのため、取得した生データからノイズを除去し、正しい水底のデータを抽出するためには、水面の屈折補正を含めた高度な波形解析の技術と専門的なソフトウェアが必要になります。

安全かつ高精度な水中測量の実現に向けて

グリーンレーザ測量は、これまで困難だった陸と水中のシームレスな測量を実現する技術です。濁度による制限やデータ解析の専門性といった注意点はありますが、工期短縮や安全性向上といったメリットは非常に大きく、河川・海岸の維持管理において欠かせないソリューションとなりつつあります。

【現場別】
公共測量の成果物に対応する
ドローンレーザ測量業者3選
山間・河川防災対策
公共測量なら
エアロ・フォト・センター
エアロ・フォト・センターの公式HP
引用元:エアロ・フォト・センター公式HP
(https://kkapc.co.jp/landing/)
水部を含む崩壊地の
精密3D化で防災対策を支援

水部を含む複雑な地形を、精密に把握。浅部はグリーンレーザ、深部はソナーを使用することで、河床の起伏を精密に可視化し、公共測量基準レベル500をクリア(※1)

砂防基盤図など、精密な3D図化が求められる測量に対応。国交省仕様に準拠した図化・地形図作成を、社内技術者が一貫して手がけている。

森林管理
公共測量なら
FLIGHTS
FLIGHTSの公式HP
引用元:FLIGHTS公式HP
(https://flightsinc.jp/)
森林資源量を精密に把握し
管理を効率化

単に「樹木下の地形を計測」だけでなく樹高・樹種・本数・材積を自社の技術と解析で算出可能。樹種分類や資源量推計専門の技術者チームが、写真測量から材積推計までを大幅に効率化

標識が置けないような急峻林でも、UAVレーザとドローンを適切に組み合わせ、後処理補正で公共測量基準±5㎝の精度(※2)を実測。

都市インフラ
公共測量なら
パスコ
パスコの公式HP
引用元:パスコ公式HP
(https://www.pasco.co.jp/biz/)
㎝精度の都市3Dデータで
行政の都市計画を支援

国交省「3D都市モデル整備プロジェクト」で50超の自治体データ(※3)を手掛けるなど、都市インフラ公共測量の行政案件で豊富な実績(※4)あり。

空中写真・レーザ・MMS点群を組み合わせ、壁面や道路脇も“抜け”なく3D化。出来上がったデータはCIM/BIM連携や日影・浸水シミュレーションに活用できる。

※1参照元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/事例紹介/)

※2参照元:FLIGHTS公式HP (https://lidar.flightsinc.jp/lp/liair/)

※3参照元:パスコ公式HP(2025年7月確認時点)(https://www.pasco.co.jp/pickup/plateau/)

※4参照元:IRBANK|株式会社パスコ(2025年7月確認時点)(https://irbank.net/chotatu/5013201004656)