ドローン(UAV)レーザ測量(別名:UAV-LiDAR測量)とは、ドローンにレーザスキャナーを搭載し、広範囲の地形や構造物を高精度に計測する測量技術です。ドローンは非接触で上空から広範囲を捉えられるため、従来の測量方法では困難だった危険箇所や広大なエリアも、人が立ち入る必要のない環境で、迅速にデータ取得が可能になります。
本記事では、このドローン(UAV)レーザ測量の具体的なメリットとデメリット、どのような現場での活用が効果的か、導入に必要なものまで解説します。
ドローン(UAV)レーザ測量は、広範囲を短時間で測量できるため、大幅な時間短縮が見込めます。たとえば、3ha程度の現場であれば、地上測量で2~3日かかるところを、ドローン(UAV)レーザ測量なら数時間~1日程度で完了できるケースもあります。
上空100mからの飛行でも、条件が整えば1cm前後の精度で数百万点の高密度な点群データを取得でき、高精度な測量にも対応が可能です。
崩落地や沼地など、人の立ち入りが困難な場所や危険な場所でも、ドローンを使えば作業員が直接立ち入ることなく安全性を確保しながら測量を行えます。短時間のフライトで測量が完了するため、作業員の現場滞在時間を最小限にでき、二次災害などのリスク低減にもつながります。
取得した点群データは、ノイズ処理、3Dモデルや地形モデル(DTM)の生成、断面図作成や土量計算などを専門ソフトで処理し、最終的に図面まで作成することができます。業者によってはこれらを一貫して対応できる体制を持っており、外注する必要がないため、納期短縮や成果物の精度担保に役立ちます。CIM/BIMとの連携により、発注者や現場関係者との情報共有もスムーズになります。
ドローン(UAV)レーザ測量を自社で導入するには、高額な初期コストがかかります。高性能なLiDAR本体だけでも1,000万円以上するうえ、RTKモジュール、標定点(レーザ計測用の対空標識)の設置機材、点群データの処理に必要な専用ソフトウェアなど、トータルで多額の投資が必要です。
ドローンによる測量は、天候や環境条件によって影響を受けることがあります。たとえば、強風、雨、霧などの悪天候時は、レーザの散乱や、ドローンの飛行安定性の低下が起こる可能性が考えられます。また常緑樹林など植生が密集している場所では、地表へのレーザの到達が妨げられ、正確な地表面データが得られにくい場合があります。
ドローンを運用するにあたっては、さまざまな法規制と運用上の注意点を遵守しなければなりません。特に、目視外飛行となるレベル4飛行を行う場合は、国土交通省が定める技能証明書(国家資格)の取得、機体登録、飛行許可申請などが求められます。その他、飛行経路の制限、第三者への安全保護措置、万が一の事故に備えた保険加入の検討なども重要です。
ドローン(UAV)レーザ測量は、その高精度かつ効率的な特性から、さまざまな現場で活用が期待されています。ここでは、代表的なユースケースをご紹介します。
| 土木・造成工事 | 大規模な土量計算や工事の進捗管理において、現況把握と正確な施工管理を行う |
|---|---|
| 送電線・通信点検 | 高所の送電線や通信設備の周囲の樹木クリアランス評価に役立つ |
| 森林・環境調査 | 広大な森林の樹高測定や伐採計画の策定など、詳細な森林資源管理に活用される |
| 災害対応・復旧調査 | 土砂崩れや洪水などの災害発生時において、被災地の地形を迅速に把握し、復旧計画の立案をサポート |
| 河川・港湾管理 | グリーンレーザ測量を活用することで、河川や港湾の水中地形を効率的に測量する |
ドローン(UAV)レーザ測量を導入し、効果的に運用するためには、適切な機材の準備と体制の構築が不可欠です。
安定した飛行を重視したドローン本体、高精度なレーザスキャナ、位置情報を正確に取得するためのGNSS/RTKモジュールが基本です。長時間の運用を考慮し、予備バッテリーも準備しましょう。
天候の変化に対応するため、気象予測ツールの活用も推奨されます。
測量結果の精度を担保するためには、適切な標定点の設置が重要です。標定点は対空標識など視認性の高いものを使用し、現場の広さや地形に応じて設置数を検討します。これにより、取得した点群データの位置精度が向上します。
ドローンで取得した点群データを活用するためには、専用の解析・図化ソフトウェアが必要です。点群処理ソフトや3Dモデリングツールを導入し、取得したデータを解析・加工します。これらのソフトウェアを使いこなし、正確な測量成果物を作成するには、専門的なスキルを持つオペレータの存在が不可欠です。
ドローン(UAV)レーザ測量は、その特性から特定の規模や環境、目的を持つ案件において特にその真価を発揮します。土木工事における大規模な造成地の進捗管理、森林調査における樹高測定、送電線の保守点検での樹木クリアランス評価など、広範囲にわたる詳細な情報が必要なケースに適しています。
災害発生時の緊急測量や、河川・港湾の水中地形を含む管理など、迅速な現況把握と正確なデータが求められる状況においても、ドローン(UAV)レーザ測量は欠かせません。初期導入コストや天候などの制約はありますが、これらの課題を上回るメリットが得られる案件においては、費用対効果の高いソリューションとなるでしょう。
レーザ測量で求められる「レベル500・±5㎝」などの精度は、業者の実績や現場対応力によって大きく差が出ます。
当メディアでは、±5㎝精度のDEMを取得できるドローンレーザ測量会社を徹底調査。
「山間・河川の防災対策」「森林管理」「都市インフラ」といった測量の目的とその現場に適した業者を、それぞれ3社紹介していますので、依頼業者の検討にぜひご活用ください。
水部を含む複雑な地形を、精密に把握。浅部はグリーンレーザ、深部はソナーを使用することで、河床の起伏を精密に可視化し、公共測量基準レベル500をクリア(※1)。
砂防基盤図など、精密な3D図化が求められる測量に対応。国交省仕様に準拠した図化・地形図作成を、社内技術者が一貫して手がけている。
単に「樹木下の地形を計測」だけでなく樹高・樹種・本数・材積を自社の技術と解析で算出可能。樹種分類や資源量推計専門の技術者チームが、写真測量から材積推計までを大幅に効率化。
標識が置けないような急峻林でも、UAVレーザとドローンを適切に組み合わせ、後処理補正で公共測量基準±5㎝の精度(※2)を実測。
国交省「3D都市モデル整備プロジェクト」で50超の自治体データ(※3)を手掛けるなど、都市インフラ公共測量の行政案件で豊富な実績(※4)あり。
空中写真・レーザ・MMS点群を組み合わせ、壁面や道路脇も“抜け”なく3D化。出来上がったデータはCIM/BIM連携や日影・浸水シミュレーションに活用できる。
※1参照元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/事例紹介/)
※2参照元:FLIGHTS公式HP (https://lidar.flightsinc.jp/lp/liair/)
※3参照元:パスコ公式HP(2025年7月確認時点)(https://www.pasco.co.jp/pickup/plateau/)
※4参照元:IRBANK|株式会社パスコ(2025年7月確認時点)(https://irbank.net/chotatu/5013201004656)