ドローンレーザ測量とSLAMの違い

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レーザを用いた3次元計測には、ドローンに搭載して上空から計測するドローンレーザ測量のほかに、測量者が機器を持ったり背負ったりして歩きながら計測するSLAM(スラム)を用いた測量があります。どちらも点群データを取得できますが、計測の方法や得意な現場が異なります。本ページでは、ドローンレーザ測量とSLAMを用いた測量の違いや、使い分けの考え方について解説します。

SLAMを用いた測量とは

SLAMとは、Simultaneous Localization and Mapping(自己位置推定同時地図作成)の略で、周辺環境の地図の作成と自己位置の推定を同時に行う計算手法のことです。レーザを主体とするものはLidarSLAMと呼ばれます。

LidarSLAMでは、移動しながら周辺の地形や地物の特徴点を見つけ出し、それらの見え方や距離の変化から自らの移動軌跡を推定します。GNSS測位を利用しなくても移動経路の位置情報が得られるため、屋内や地下空間などでも計測が可能です。

国土地理院では「LidarSLAM技術を用いた公共測量マニュアル」を整備しており、測量者が機器を持つ又は背負う等して、歩行しながら計測するLidarSLAM機器を対象としています。

※参照元:国土地理院「LidarSLAM技術を用いた公共測量マニュアル」(令和4年6月制定、令和8年3月改正)(https://www.gsi.go.jp/common/000259090.pdf)【PDF】

ドローンレーザ測量と
SLAMの違い

ドローンレーザ測量とSLAMを用いた測量の主な違いを、項目ごとに整理しました。

項目 ドローンレーザ測量 SLAMを用いた測量
計測方法 ドローンに搭載し、上空を飛行しながら計測 測量者が機器を持つ・背負う等して、歩行しながら計測
位置の求め方 GNSSとIMUで機体の位置と姿勢を求める 周辺の地形や地物の特徴から自己位置を推定する
計測できる場所 飛行可能な範囲からレーザを照射できる場所。植生や地物による遮蔽の影響を受ける 歩いて移動できる範囲。屋内や地下空間でも計測可能
誤差の特徴 GNSS衛星の受信状況などが精度に影響 経路長や計測時間に応じて誤差が蓄積する
標定点の考え方 計測範囲や要求精度、成果品の仕様などに応じて調整用基準点を設置 1回の計測範囲を囲むように4点以上の標定点を設置

計測方法と位置の求め方の違い

ドローンレーザ測量は、ドローンに搭載したレーザスキャナで上空から計測し、GNSSとIMU(慣性計測装置)で求めた機体の位置と姿勢を組み合わせて点群データを作成します。国土地理院のマニュアルでは、位置の決定はGNSSによるキネマティック法で行うこととされています。

一方、SLAMを用いた測量は、測量者が歩きながら計測し、周辺の特徴から自己位置を推定します。機器によっては、レーザスキャナのほかにIMUやGNSS測量機を搭載し、複数のセンサのデータを組み合わせて移動軌跡を推定するものもあります。

誤差の特徴の違い

ドローンレーザ測量では、GNSSで機体の位置を求めるため、衛星の受信状況や配置、周辺環境などが測位精度に影響します。

SLAMを用いた測量では、経路長や計測時間が大きくなると、累積誤差が生じて精度に影響する場合があります。国土地理院のマニュアルでは、複数の機器を用いた検証において、計測時間が5分を超えると要求精度0.05m(RMS誤差)、10分を超えると0.1mを満たすことが難しいという結果が示されています。ただし、これは検証に用いた機器での結果であり、実際の計測可能時間や精度は機器の性能や計測条件によって異なります。

累積誤差を抑える方法の一つに、計測の開始位置と終了位置を同じにして、同じ場所を通過したことを利用して誤差を補正する「ループ閉じ込み」があります。実際の計測では、使用する機器の精度・性能試験の結果に基づいて、適切な経路や計測時間を設定することが重要です。

標定点・検証点の違い

ドローンレーザ測量では、計測範囲の面積に応じて調整用基準点を設置します。SLAMを用いた測量では、1回の計測範囲を囲むように4点以上の標定点を設置し、検証点は標定点とは別に標定点の1/2以上を設置することが標準とされています(GNSS観測により点群座標を計測する場合を除く)。

ただし、GNSSを利用せずに自己位置を推定できることと、取得した点群が公共座標系に自動的に合致することは別です。測量成果として利用する場合は、標定点などを用いた座標変換や、位置精度の検証が必要になることがあります。

SLAMを用いた測量の
注意点

LidarSLAM技術を用いた公共測量マニュアルでは、計測にあたって以下のような点に留意することが示されています。

周囲の環境の影響

周囲の環境に揺らぎ等があると、自己位置推定や点群の構築に影響が出るとされています。そのため、市街地では車両の走行や歩行者が経路周辺に少ないこと、森林等では草木の風による揺れが少ないことなどに留意する必要があります。

点密度の変化

SLAMを用いた測量では、機器から計測対象までの距離が遠くなるにしたがって点密度が低くなります。また、移動速度もレーザのスキャン頻度との関係で点密度に影響するため、要求仕様を満たす移動速度を定めて計測します。

ドローンレーザ測量と
SLAMの使い分け

どちらの方法が適しているかは、現場の状況や計測したい範囲によって異なります。

ドローンレーザ測量が向いているケース

上空から見通せる広い範囲を計測したい場合や、急傾斜地など人が立ち入りにくい場所を計測したい場合は、ドローンレーザ測量が候補になります。上空から計測するため、歩いて移動できない場所も計測できます。

SLAMが向いているケース

屋内や地下空間など、GNSSの電波が届きにくく、上空からの計測が難しい場所では、GNSS測位を利用せずに位置情報が得られるSLAMを用いた測量が候補になります。歩いて移動しながら計測できる範囲が対象となります。

組み合わせて活用するケース

現場によっては、ドローンレーザ測量とSLAMを組み合わせて活用する方法もあります。例えば、ビジュアル・システムズの事例では、森林の現況把握にUAVレーザ測量とハンディ型SLAMレーザ計測、AI解析を用い、樹木の本数や胸高直径などの樹木情報を把握しています。

まとめ

ドローンレーザ測量とSLAMを用いた測量は、どちらもレーザによって3次元の点群データを取得する技術ですが、計測方法や適した現場が異なります。ドローンレーザ測量は、広い範囲や急傾斜地など、人が立ち入りにくい場所の計測に適しています。一方、SLAMを用いた測量は、屋内や地下空間など、ドローンによる上空からの計測が難しい場所で活用できます。

ただし、どちらの方法も、現場の環境や要求精度、使用機器の性能によって計測結果が変わります。標定点の設置や精度検証の方法も確認したうえで、計測範囲や目的に合った方法を選ぶことが重要です。

現場の条件によっては、ドローンレーザ測量とSLAMを組み合わせることで、それぞれの特徴を生かした計測も可能です。

【現場別】
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ドローンレーザ測量業者3選
山間・河川防災対策の
公共測量なら
エアロ・フォト・センター
エアロ・フォト・センターの公式HP
引用元:エアロ・フォト・センター公式HP
(https://kkapc.co.jp/landing/)
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パスコ
パスコの公式HP
引用元:パスコ公式HP
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国交省「3D都市モデル整備プロジェクト」で50超の自治体データ(※3)を手掛けるなど、都市インフラ公共測量の行政案件で豊富な実績(※4)あり。

空中写真・レーザ・MMS点群を組み合わせ、壁面や道路脇も“抜け”なく3D化。出来上がったデータはCIM/BIM連携や日影・浸水シミュレーションに活用できる。

※1参照元:エアロ・フォト・センター公式HP(https://kkapc.co.jp/事例紹介/)

※2参照元:FLIGHTS公式HP (https://lidar.flightsinc.jp/lp/liair/)

※3参照元:パスコ公式HP(2025年7月確認時点)(https://www.pasco.co.jp/pickup/plateau/)

※4参照元:IRBANK|株式会社パスコ(2025年7月確認時点)(https://irbank.net/chotatu/5013201004656)